2024/11/21 16:59

今回の新作は「バリ島の伝統模様」がモチーフになっています。

草花が流れるように繋がり描かれる模様は、バリ風な唐草模様。

バリ舞踊の衣装に限らず、建物の装飾だったり、お土産品の木彫りだったり、、、いろいろなところでこの模様が使われています。

今回はこのバリ島の伝統的な模様を取り入れて、バリ島らしい色合いと、日本の日常に溶け込みやすい色の2パターンを作りました。

まずはバリ島らしい色合いの紹介から。


「赤黒白」の3色は、それぞれバリヒンドゥー教の神様の色。
「創造・維持・破壊」3つのバランスで均衡が保たれていると考える、
「バランス」や「調和」を大切にするバリ島の考え方が表れています。

バリ島の文化は大好きですがもちろん私はバリヒンドゥー教徒ではないので、このピアスにそういう宗教的な意味合いはありませんが、「バランス」とか「調和」というキーワードは少し意識しています。バリ島らしさはしっかりとあるけれど、日本にスッと馴染んでいくようにしたい。鮮やかすぎず少し落ち着いた3色を選び、身につけやすく仕上げました。


もう一つこの耳飾りを作るときにイメージとして持っていたものがあって、それはバリ島のとある村で作られている織物です。
たて糸とよこ糸をそれぞれ染め、うまく模様ができていくように織っていく、とても貴重な織物。「ダブルイカット」と呼ばれ、今このダブルイカットの技法で織物を作っているのは、インド、インドネシア、そして日本の3カ国だけだそうです。

シックな色合いのグリンシンに身を包み、頭には真鍮の髪飾りをつけた女性。
真鍮の髪飾りと一緒にイランイランやチュンパカの花も挿していて、さりげないけれどとても華やか。シンプルなのにすごく印象的なこのスタイルがとっても好きです。


続いてニュアンスカラーのご紹介。


モチーフは一緒ですが、より日本に馴染みやすいような配色にこだわりました。
ちょっとくすんだブラウン、グレージュ系の色味でまとめ、金のビーズでバリ島らしさも取り入れています。

三角の耳飾りの方は、アクセントカラーで「黄色」が入っていますが、この黄色もバリ島では神聖とされる色。

お祭りなどで白と黄色の伝統衣装に身を包んだバリの人たちの行列は、とても美しい光景です。

秋冬のニットや、こっくりした色合いの洋服などに合わせたらとても可愛いと思います。

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どちらも刺繍部分は刺繍糸一本取りで刺繍しています。少し図案からずれるだけで模様が崩れてしまうような、ミリ単位の世界です。
コットンのDMC刺繍糸を使用していますが、艶のある仕上がりになっています。

縁部分は、ぐるっと一周縁がかりをして仕上げています。

刺繍を始めた頃は時間ばかりかかって全く綺麗にできなかったので、縁がかりがとても苦手でした。
それが今では大好きな作業に。。無心になれる時間が心地よいです。


好きな景色だったり、印象的なものを、こうして手のひらのサイズに再現できる「刺繍」には、無限の可能性があってワクワクします。
これからも誰かの「好きなもの」「好きな景色」を『手にとっていつでも見られるもの』として作り、そして手に取った瞬間に好きなものを感覚的に思い出せるような、余韻に浸れるような、そういうものを作っていきたいです。

今回の新作は11月22日(金)21時から販売スタートです。
どうぞよろしくお願いいたします。