2024/11/04 10:57
せっかくブログの機能があるので、商品説明には書ききれないことをこちらに書いていこうと思います。
『ヒゴタイ』という花を、見たことはありますか?私は今から2年前、初めてこの花に出会いました。
今まで見たことのない形状の花で、ポコポコと咲く姿がとても可愛らしく、一瞬で魅了されてしまいました。
完璧な球体をしていて、じっと見ていると中心に吸い込まれそうな色のグラデーションをしていました。
この花を見たのは熊本県阿蘇郡産山村。阿蘇の雄大な自然の中にある、小さな村。
阿蘇の大自然に魅了されて埼玉県から移住した私は、1年半ほどこの村にお世話になりました。
村には「ヒゴタイ公園」という名の公園があり、そこには毎年8月〜9月にかけてヒゴタイが見頃になります。
昼間は色彩鮮やかなヒゴタイですが、夕焼けの中に見えるヒゴタイのシルエットも大好きでした。
なんだか、人が集っているような、『意思』を感じる花です。
このヒゴタイは今は絶滅危惧種に指定されている花。
産山村にはまだまだまだまだ自生しているヒゴタイもあるのですが、悲しいことに時々採られてしまうこともあるんです。
草原の中にひっそり咲いているのを見つけた!と思ったら、その数日後に姿を消している。
そんなことを何度か体験しました。
私は好きな環境で、本当に必要なものに囲まれて生活をしたくて、関東から九州の田舎へ移住しました。
だからこそ、「好きなものをそばに置いておきたい。すぐ目に入るところに置いておきたい。」という感覚はすごく分かります。
でも必要最低限な「手入れ」以上に手を入れてしまうと、自然はバランスが崩れてしまう。そうなると、「大好き」であった景色さえなくなってしまう。そこへ行けば見ることができたものが、見れなくなってしまう。
それはとても悲しいことだと思います。
大好きな思い出の景色だからこそ、そこにずっとあり続けてほしいし、そこへ行けば「会える」景色がずっとあってほしい。
それは私にとっては阿蘇に限らず、「バリ島」もそうです。
バリ島もものすごい勢いで開発が進んでしますが、「バリヒンドゥー教」という信念が一本通っているので、「これ以上はだめ」という線引きがあるのだと思います。だからどんなに開発が進んでも、「変わらない風景」は守られている。
思い出の景色や、思い出の場所、思い出の花。ひとりひとりに、一つはそういうものがあるのだと思います。
『ヒゴタイ』はその景色を、『常に自分のそばに置いておけるもの』、として形にするきっかけをくれた花でした。
この景色が好きな人が、常に見て思い出せるように。
この景色をまだ見たことのない人が、実物を見に行ってみたいと思えるように。
そしてこの景色がずっとあり続けるように。
だからこそ本物そっくりなヒゴタイの”刺繍”をしたくて、何度も何度も糸の色を変え試作をしました。
花の形は観察すればするほど、とても規則的なのだと気づきました。
でもなかなか思ったようにはいかず、いっとき離れて他のものを作り始めて頭を冷やしたり。。
色を変え仕立て方を変え、ようやく今の形に辿り着きました。
・この景色が好きな人が、常に見て思い出せるように。
・この景色をまだ見たことのない人が、実物を見に行ってみたいと思えるように。
・そしてこの景色がずっとあり続けるように。
この3つは作品を作る上で大事にしていることです。同じような想いの方に、届きますように。
ヒゴタイのブローチは、パターン違いで4種類あります。一番人気は「ふっくらタイプ」の「ネイビー色」。お好きなタイプが見つかれば嬉しいです。